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奥田英朗 『田舎でロックンロール』を読んで

 すみません。今日の音盤購入視聴日記は、部屋の引っ越しがピークを迎え、何がなんだかわからない状況になってしまっていますので、少し片付けてから続きのツェッペリンⅣに行ければいいかなと思っています。
 ということで、本日は久々に書店の店頭で手に取った書籍を・・・パラパラとめくり読みをして「ちょっと面白そう」と思い購入したのが、こちらの直木賞作家 奥田英朗氏の「田舎でロックンロール」でございます。
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 実は奥田氏の作品は幾つかのタイトルは知りつつも、直木賞受賞作の「空中ブランコ」も実際に読んだこともなく、映画化やドラマ化になった作品でさえテレビでもDVDでも鑑賞したことがないという、全くといっていいほど奥田さんに関する知識もない私が、タイトルと帯コメントで選んだぐらいで・・・ほとんど衝動買いです。
 
 「小説・野生時代」に連載されていた、御本人の自伝的音楽エッセイを単行本にまとめた作品ですが、1972年の中学1年生時より1977年の高校3年生までの洋楽ロック・アルバムとの出会いを、自身のエピソードを交えて書かれています。
 読むにつれて、洋楽を聞き始めた頃の背景や実際に聞いてきた音楽があまりにも、私自身と共通部分が多いのですが、それもそのはず1959年生まれということは、私と同じ年であり地方在住というのも奥田氏は岐阜で、私は群馬ということで環境も似たようなもの。読んでいて共感することが多く、当時の中高校生がレコードを手に入れるのは本当に一苦労、ましてや本物のライヴを観ることなんて中々できないのも大都市に住まわれている方には理解していただけないかも。

 当時1枚2000円~2500円のLPレコードを購入するのに、今では時効だけど親から預かった高校の授業料を使い込んだことなんて全く同じ。毎月支払いが遅れ、私の場合は担任から「家が困っているなら相談にのるから」なんて言われて、これはやばいなんて思ったことが何度あったか。 またそれを補填するために、夏休みにはゴルフ場やホテルのアルバイトなどに行き、まとまった金が入ればまとめてレコード購入に充てたり、ML誌の今月の新譜レビューで★の数を見て、聞きたいアルバムの参考にしていたことなど、日本全国の70年代にロック・ミュージックの洗礼を受けた地方少年達が歩んできた軌跡そのものですね。(授業料の使い込みは稀でしょうが)
 
 ちょっと違うのが、私はあまりFMラジオは聞いてなかったななんて思いました。(渋谷陽一のヤング・ジョッキーだけ)どちらかというと親しくなったレコード店に入り浸りで、新譜は聞かせてもらっていたという迷惑な客でした。また、中学生時代の学校環境は氏とは比べ物にならないくらい音楽に接することは恵まれていたかもしれません。坊主頭の強制もなかったし、教室は荒れていた訳でもなく放任でもないのですが、生徒の自主性を重んじていて、クラスで決めたことは割となんでもやらせてくれたように記憶しています。
 隣のクラスでは毎週の洋楽チャートをEPとLPに分け廊下に掲示していました。とにかく洋楽のリスナーが各クラスに10人程度は居たと思いますし、レコードの貸し借りは頻繁に行われていました。結果バンドを組んでいる人たちも学年で2~3バンドはあったと思います。こんな学校ですから実際にプロとして活動された先輩も居ました。(そこそこ有名になった方ですが)また映画「エクソシスト」のくだりや「コックリさん」など懐かしくも楽しい話・・・いろいろ思い出しました。
 
 奥田氏は現在、SACDとアナログ盤収集に回帰しているとのことですが、なんとなくこの辺も同じですね。但し100万円もオーディオに掛けられませんが・・・本作一気に読ませて頂きましたけど、この続きは1978年春の上京について書かれた「東京物語」に続くとの事なのでまたいつか読ませて頂きます。
懐かしいあの時代の音楽や映画の数々のエピソード・・・楽しめました。同世代の方に機会があれば一読をお薦めします。
 

 

by nakaji411311 | 2014-11-09 23:23 | 書籍

封印作品の謎/蘇る封印映像

 もう先月のことですが、現在ヒット中のジブり最新作「風立ちぬ」を観て来ました。

 宮崎作品を劇場で観るのは、約30年前の「風の谷のナウシカ」以来です。もともと映画館通いが遠のいていたこともありますが、自分は特別の宮崎ファンという訳でもないようです。とはいってもビデオやLD、DVDでは、機会があれば購入したり、レンタルしてたりですから別に嫌いなわけでもないです。
 作品としての感想は観た直後から本日に至るまで、〇×△で評価できていません。
観に劇場まで行ったのですから、期待していたのでしょうが、想像していた以上にこじんまりとまとまっちゃったなあ・・・公開直前のテレビで放送された製作裏話的な番組で予備知識を詰めすぎちゃったかな・・・なんて後悔もしています。庵野氏の声優としては、最初はそれほど違和感を感じてなかったのですが、徐々に違う声優だったらなんて思っちゃったりしました。
 それと現在になって話題になっている主人公を含めた登場人物の喫煙シーンについての論議も、当時の時代を考えればごく自然の日常描写なのかなと思います。確かに場面によってはここで吸わなくてもなんて思ったことも事実ですが・・・

 さて本題です。春頃から何がきっかけか忘れましたが、映像や出版物で探しても手に入らない作品が多くある現実を知りました。子供の頃に確かに見た記憶があるのだけど、再放送や
再版もパッケージ化もされない闇に葬られた作品があることを・・・
 そんな中、興味深い本が2冊購入することができましたので、今回はこの本について少々。
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 まずは安藤健二氏著の『封印作品の謎』です。作品的には10程度前に出された本ですが、安藤氏が根気良く情報収集を行い、実際に作品に関わる人達から取材した内容が該当作品毎にまとめられています。
 封印された作品については、登場人物の描写や差別、時代背景や社会的影響など様々な要因がありますが、影響度が高い子供向け作品に多く見受けられるように思います。

 そういった代表格がこの作品です。『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」(1968)です。ウルトラ・シリーズはリアルタイムで見ていた世代ですが、特にウルトラセブンは子供向けだけではなく、大人も考えさせられる話も多く、評価の高いシリーズですが、私自身にこの作品の記憶が全くありませんでした。監督と脚本はお馴染みの実相寺、佐々木のコンビです。
 初映当時は小学生低学年ですから、怪獣や宇宙人の名前から覚えていたと思うのですが、この回に登場するスペル星人の名前も姿もこの本の中で初めて見ました。この中で問題とされているのが「被爆者者を連想させる」幾つかの設定だとのこと。ひとつには「事件の被害者が原爆症と同様な白血病症状」や「スペル星人の姿がケロイド状に見えること(ほとんど姿をみせないのですが)」あとからの理由付けのように思いますが・・・実際に放映された時点では全く批判もなかったとのことです。
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 しかし放映から2年後、ある学年誌に付いていた付録の「かいじゅうカード」が波紋を呼ぶことになります。そこのカードにはスペル星人の写真とともに裏面には《ひばくせい人》と表記され、これを見た購入者の親が抗議文を出したのがきっかけとなります。その後大きくマスコミで取り上げ、製作した円谷プロでは「けっして被爆者を怪獣扱いした訳ではないが、不快感や誤解を与えたことにお詫びします。」と回答文を出し、以降は欠番として取り扱いを自粛することとなります。
 その後現在に至るまで、この作品がオフィシャルで陽の目をみることがなくなるのですが、
インターネット時代の現在は、意外とあっさりと映像を探して見ることができました。
 作品の内容としては、原水爆や被爆といったワードも出てこないし、そこを強調したり、揶揄したりではないので問題ないのではと思いますが、至ってストーリーは明快で侵略者を撃つといういつものパターンなんですが・・・やはりかいじゅうカードなんでしょうね。問題は。

 後日談としては、「蘇る封印映像」天野ミチヒロ著に載っていましたが、当時抗議した親(ジャーナリスト)と佐々木氏の対談でお互いが歩み寄り、復活に向けた意見交換もあったそうですが、未だ解禁にはなっていません。

 本文中には他にも、怪奇大作戦の第24話「狂鬼人間」、出版物としてはブラック・ジャックの第41話「植物人間」第58話「快楽の座」からなどの作品が何故、封印されたのかをルポを含めて詳しく書かれています。(安藤健二氏著の『封印作品の謎』大和書房)

 こうした作品全てが否定されるべき内容なのかどうかは、時代背景やマス・メディアの捉え方などを含めて、再度この時代に検証する必要があると思います。作者の意図することや何を訴えたかったのか、既に製作者は他界してしまっている方も多く、そうした論議をしないとこのまま、みんなからの記憶から消えていってしまうのでしょう。 他力本願で申し訳ありませんが、版権をお持ちのメーカーさんをはじめ、関係者の方々の再考を是非お願いします。

 本日は、違ったジャンルで書かせて頂きました。それではまた・・・・
by nakaji411311 | 2013-08-18 14:48 | 書籍